2016年8月28日日曜日

PITパラメーターを設定するJobプラグインを作成する

アナログシンセサイザーのオシレーターを2基重ねるときに、ピッチを調整するパラメーター[FINE]が“一致しているはずなのに一致していない”現象というのがあるそうです。デジタルみたく何段階とかガウス記号的な処理ができないために発生するのだそう。KORGのMS20 miniの紹介動画でそんなトークがされてました。

「VOCALOIDでもトラックを複製して[PIT]パラメーターを少しだけ弄ったら似たような効果が得られるんじゃないの?」と思ったので、やってみます。

残念だ。

VOCALOID Editorで[PIT]を調整しようと思ったのですが。[PIT]は-8192から8191までの大きい数字を設定できるようになっているせいで、画面上のマウス操作だと【1】とか小さい数字を入力できないんですね。どうしても2桁以上の値になってしまう。。。60インチとかの大画面なら1桁操作できるのかな?

Jobプラグインの出番

仕方がないので、好きな値に設定できるようなJobプラグインを作ります。

最終的には、もう少し使いやすいように「もう書き込んでる部分を反映するのか?」「選択範囲全域を上書くのか?」を選択できるようにしました。[GEN]バージョンを作ってみるのもいいかも。

試す

作ったJobプラグインを使って、ピッチを微妙に変えたトラックを重ねたときの音を聴いてみます。

[PIT]=11 あたりから「あぁ、ピッチがズレてるのね」のウネウネ感が出てきます。重ねてるのが分からない程度にするには1桁台~15くらいが良さそうです。[PIT]=600 くらいで重ねるとシンセサイザーみたいな面白い音になってきます。ロボットみたいな音になってくると調声がヘンでも誤魔化せそうw

サンプルボイスを置いておきます。最初から順番に「[PIT]=0」「[PIT]=7」「[PIT]=600」をメイントラックに重ねたモノです。あと、作ったJobプラグインも置いておくので、興味があれば試してみてください。


ダウンロードはこちら⇒DL:PITを変更するJobプラグイン

おまけ

PiaproStudioだとJobプラグインを使えないからVOCALOID Editorを経由しないといけないのがツライですね。。。

2016年8月24日水曜日

VOCALOID Jobプラグインの作り方を覚える

VOCALOID Editorで使用できる『Jobプラグイン』。「Jobプラグインは『Lua言語』というプログラム言語で作ることができる」とのことなので、夏季休暇の工作(?)のつもりでJobプラグインを作ってみることにしました。

Jobプラグインの中に必ず記述しなければならないモノは下記の2つ。この2つさえあれば、あとは自由に弄れる。Lua言語に用意されている関数、VOCALOID Editor側が提供している関数を駆使してノートやパラメーターを操作できる。

  • function main(processParam, envParam)
    Jobプラグインの心臓部。ここでノートやパラメータに効果を付与する。
  • function manifest()
    Jobプラグインの定義部。プラグインの名前やバージョンを記述しておく。

プログラム言語を勉強するとき、最初に作るのはやっぱりコレだと思うのです! Lua言語って文字列の扱い方が独特ですね! 面白い。

せっかくなので、作ったJobプラグインを置いておきます(DL:BowlRoll)。Jobプラグインのファイル(.lua)はただのテキストだから、テキストエディター(メモ帳とか)で中身を見ることができます。ムダにコメントを付けてみたけど、参考になるかな?

おまけ

今更になって気付いたこと。パートを選択するだけでなく、Musical Editorでノートをピアノロール上に表示していないとJobプラグインを実行できないんですね。この制約のせいで“Jobプラグインのできること”が減っているように思えます。たとえば、メインのトラックを複製してハモリを自動生成したり、トラック複製後にノートの発声タイミングをズラして輪唱を自動生成したり、みたいなことができない。そういうのが作りたい(ほしい)んだけどなぁ。