2015年3月29日日曜日

「水野式作曲メソッド解体新書」に取り組む(7)

さて。

コード編の後半「コード・プログレッション」に取り組んでみます。


ツー・ファイブ進行


ツー・ファイブ進行とは、動的な響きを持つⅤ7に静的な響きを持つⅡm7を繋げたコード進行のこと。動的?静的?何だそれ?って思いますが、厳密な原理を持たない音楽理論にツッコミは無益です。著者の教えに従って「そんなもんなんだ」程度で我慢しておきます。

そんなツー・ファイブ進行をいつ使うかというと、ダイアトニック・コードの順次進行を代理するために使います。代理することでメロディーような滑らかさを演出するのだとか。もちろん、順次進行以外のコード進行でもツー・ファイブ進行を使用できますが、メロディーとの兼ね合いなどでスムーズに移行できないことも。順次進行で使うのが一番ラクみたいです。

たとえば、①みたいな進行をツー・ファイブ進行で全部代理すると②みたくなります。

①[Ⅳ△→Ⅲm7→Ⅱm7→Ⅰ△]

②[Ⅳ△→Ⅶ7→Ⅲm7→Ⅵ7→Ⅱm7→Ⅴ7→Ⅰ△]



△7連結


トニック・コード△7は、これだけで完結しているような響きを持っているんだとか。そのため、△7をデタラメに連結してもそれほど違和感は無い。ボサノバ調の曲ではよく使われる手法なんだそう。

トニック(T)やサブドミナント(S)、ドミナント(D)の連結に異常に拘る古典理論からでは想像できないコードの使い方!

ルートモーション


メロディーとは全く無関係にベースラインを考えた後に、「メロディーをトップノート。ベースラインがルートノート」とみなしてコードを考える方法もあるそうな。

比較的良く感じられるコードを得るためには、以下の跳躍または進行を織り交ぜると良いらしい。


  1. 4度上行または5度下行
  2. 短2度下行
  3. コードスケールまたはキースケール順次進行

ベースラインが決まったら、あとはトップとルートの間を埋めるだけ。基本的に2パターン現れるはずなので、どちらにするかは好みの問題になってしまう。



分数コード作曲


第1章で使った分数コードをもっと自在に使えるようにしましょう。

まず、メロディーに対してコードを付けます。

さらっと書いてますが、メロディーにコードを付ける方法って作曲初心者が知りたいことTOP3にランクインしそうなことだと思います。。。

1つのやり方として、「ここでコードチェンジしたら面白いかな?」と思う箇所でメロディーを区切り、その区切り間ごとにコードを付ける方法が紹介されています。区切り間に含まれているメロディー構成音をコードに見立てるんです。



コード進行ができたら、あとは自由にベースラインを考えます。

自由と言いつつも、次の2点には気を付けると良いみたい。

 ・メロディーと濁らないようにすること

 ・コード構成音の半音下にならないこと



コードからメロディーを作る


『作曲デキ~ル』でもやったこの方法。意外と気に入るメロディーを作るのが難しい。イマイチ面白味が無い。

その理由は、メロディーがコードに馴染み過ぎてるからなんだそうな。水野式作曲メソッドをここまで読んできたお陰か「あー確かにそうかも」と思えるようになりました。


では、どうするか?分数コードを使いましょう!

分数コード分子側を構成音4つ以上のコードに、分母側を分子側コードの構成音以外の音にして、分子側コード構成音でメロディーを考えます。構成音のどれを選んだとしてもベース音と同じになることは無いので、“馴染み過ぎる”問題は解決できるはず。

ルートに設定した音も使うと考えれば、構成音だけで5音使えることになるんですね。分数コードは一般のコード進行理論の範疇では無いから、これまた自由に使えるのが良いところ。


次回は節「ベース」。著者がベーシストだからなのか、わりと濃密な内容。でもその前に、分数コードで練習曲を作ってみたいですね。